東京発下関ゆき<あさかぜ>、同じく長崎ゆき<さくら>が今夜の運転を最後に廃止されます。いま上下の最終列車が東海道を西へ、山陽本線を東へひた走っているはず。私が子供のころにはチケットを確保するのも大変だった東京と西日本を結ぶ寝台特急列車も近年は並み居るライバルたちに敗れて惨憺たる状況で運転されていたようです。 確かにいまどきカーテン一枚で男女別もなく2段ベッドで横になる世界なんて、寝台車以外にありますまい。列車で横になって寝て行ける、ということだけでも画期的にありがたかった半世紀前から何の改善もせず、料金だけは値上げし続けていった故の当然の結末でしょうか。 鉄道が好きです。いい年こきつつ今でも日本国内ぐらいヒコーキのお世話にはなりたくないと思うような奴です。寝台車のあの非日常性が大好きだから消えてほしくないと思う反面、きっと私のような人間は超少数派でしょうから、今のままでは最後に残る<富士・はやぶさ>も危ないのでは? 天下の東京駅から出る列車が新幹線と通勤電車と踊り子号だけってのも淋しすぎます。日本を代表するような長距離列車に進化して、そのあったかい灯が消えないことを祈ります。どんな列車かって?・・・食堂車は絶対!のほかは高速バスのような座席のクルマ、フェリーの桟敷席のようなクルマ、徹底的に人手をかけてサービスにこだわった個室寝台車、あとこれまでの寝台車を大幅に料金を下げて少し残せば、ニーズにだいたい応えられそう。 このモノクロームは1976年5月、まだ彼女たちが走るホテルと呼ばれ、寝台券の入手が至難だった時代のひとこま。小雨にけぶる真鶴と湯河原の間であこがれつつシャッターを切りました。 とりあえずお疲れ様、<あさかぜ>、<さくら>。永久欠番と決まったわけじゃないからいつか素敵な列車の名前で再会できるのを楽しみにしています。
by y-gotosan
| 2005-03-01 00:25
| 汽笛の風景
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