2006年 03月 20日 ( 1 )

Photo runby

このブログの容量のマキシマムになってしまいました。

きょうも「戻り雪」、春までの一進一退の歩みが続く中で、これをひとまず最後の投稿にしたいと思います。

フォト・ランバイ。アメリカの鉄ちゃんたちが作ったコトバ。”photo"のために"run by"・・・、走り過ぎる。具体的に説明すれば、自分たちの乗った貸切列車(Fan Special)をお立ち台で迎撃するために、
①お立ち台の前で皆下車して、列車はいったんバック(ビデオ派のためにカメラアングルの外まで!)
②スタンバイしたところへフルパワーの大迫力で通過
③再びお立ち台までバックしてきて鉄ちゃんを収容、次のポイントへ出発。
・・・というものです。本線上でのバックは日本では保安上、線路閉鎖しない限り不可能ですが、そもそもそんなことを白昼できる本線などほとんど存在しません。

日ごろの私たちの鉄活動が「自由旅行」だとすればこの"photo runby"は「添乗員と行くロンドン・パリ・ローマ8日間」といったパックツアーみたいなもの。好みの分かれるところでしょうが、約20年前のニュージーランドでそれに似た経験をしました。

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日本と同じゲージながらアメリカンスタイルのディーゼル機関車はやたら背高でカッコいいです。ニュージーランド南島・クライストチャーチにホームステイしていた7月のある日、ホストマザーが日曜版の新聞広告で見つけてくれたのが始まりでした。
8月のとある日曜日、クライストチャーチから島を南北に縦断する脊梁山脈の峠めざして、レイルファン団体貸切の列車は出発しました。途中駅停車のひととき、ドライバーと語らう男性2人はこのツアーの幹事役である地元の鉄道愛好団体の人、なんとお願いもしていないのに「日本から一人で来ているヤツをエンジンに乗せてやってくんねぇかい?」と交渉中の図です。

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鉄道はすっかり過去のものになったニュージーランドでは旅客列車はメインラインのみ1日1往復、それも3、4両のわびしい編成で日曜はお休みという状態です。荷物車も含めて15両、重連のディーゼル機関車にふさわしい列車がファンスペシャルだけというのは淋しいものの、乗せてもらった機関車の後部運転台でひとり歓声をあげていました。

山中で突然、静かに停車。何事かと驚いていると客車からぞろぞろとお客が降り始め、目の前の鉄橋を渡り始めました。ついていって納得、アメリカ蒸機のものほど本格的ではないものの"Photo runby"が始まりました。
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ごらんのとおり白糸川に似た鉄橋を望む絶景なのにカメラを構えている人間の方が少ないですね。日本の8割ほどの国土面積に人口330万人のこの国の鉄ちゃん人口からすれば15両編成は必要ありません。大半はフツーの人々です。奥さん連中は客車に居残ってお喋りに夢中でした。

「自分たちの好きな鉄道を日常生活の中ではほとんど経験できないフツーの人々に触れ合わせたい」、というのがこのツアーの趣旨なんだろうな、たぶん・・・とぼくなりに解釈しました。

細々と残った鉄道を愛し、一般ピープルに鉄道旅行の楽しさをを啓蒙するかのごとき活動に情熱を注ぐニュージーランドの鉄ちゃんに乾杯!

終着駅、Arthur’s Passまでまだ1時間余り、でも風景はいよいよ凄みを増してきました。牧草地のかなたにサザンアルプスの峰々が輝き始めました。

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by y-gotosan | 2006-03-20 20:30 | 汽笛の風景