カテゴリ:汽笛の風景( 34 )

待合室

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街に開かれた出入り口と改札の間を風が抜け、コンクリートの床に打ち水でもされていればたとえ冷房なんかなくっても、ようやく駅に辿り着いた身にはこんな待合室でもオアシスだったような気がする。エアコンがあたりまえになると忘れてしまうけれども。

<1984年7月 弘南電鉄平賀駅>
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by y-gotosan | 2004-07-20 22:58 | 汽笛の風景

夏の窓3.

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寝台車で迎える朝・・・、いいものである。はるばる夜通し旅した者だけへの贈り物のような新鮮さに満ちた時間がまだ半分まどろんでいる中で過ぎてゆく。
ましてそれが旅の終わりの朝、だとすると愛おしさもひとしお。
あと少しで終点。もうすぐこの大きな窓の向こうの日常へ。

1984.9.21 山陽本線三石付近(長崎発あかつき4号より)
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by y-gotosan | 2004-06-29 21:07 | 汽笛の風景

夏の窓2.

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・・・行商のオバサンに頼まれ、大荷物の商売道具を黒松駅のホームに降ろすのを手伝う。
『どうもありがとうございました』
とホームに立ったオバサンから深々と一礼され、ぼくも思わず窓から身を乗り出したまま一礼。
『下りハチニイナナ、発車ァー!』
『汽笛』・・・

そんな出来事が旅日記に記してあった。あのオバサンはこの風景の中で今でも現役だろうか。

1982年9月4日 出雲市発下関行き、山陰本線827列車にて
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by y-gotosan | 2004-06-26 17:42 | 汽笛の風景

夏の窓1.

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夏休みまぢかの下校列車。彼は窓をいっぱいに開けて床下から陽炎となってゆらめくエンジンの排気が混じった夏草の匂いを感じていた。ふと気づくと隣の窓から女学生のなめらかな腕が風景の中で舞っている。阿仁前田駅で彼女たちが席を立つまで、シャイな青年は秋田美人の腕の表情だけを追っていたのでした。

1984年7月14日 旧国鉄・阿仁合線(現・秋田内陸縦貫鉄道)にて
 
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by y-gotosan | 2004-06-23 22:37 | 汽笛の風景